銀行からの融資を受けるときは、必ず借入金に対して利息を支払わなければなりません。
会社や個人の業績、資産状況にもよりますが、借入利率は平成31年2月現在で1.0%~3%ほどというところでしょうか。
この利息が安くなればなるほど、事業のコストを抑えることができます。
例えば1,000万円の設備資金を5年返済、利率2%で借りたとすると、5年間で支払う利息の金額は約50万円となります。
もし利率が1%で借りることができたとすると、5年間で支払う利息の金額は約25万円となり、コストが下がります。
借入金額がもっと増えたり、借入期間が延びるほど、銀行に支払う利息の金額は大きくなっていくことになります。
事業を続けていくうえで欠かせない資金を確保しておくことは非常に重要なため、借入はすべきですが、この利息を安くする方法として、「認定支援機関」で経営指導を受けて借入をするという方法があります。
知らない方も多いかもしれませんので、ご紹介します。
目次
融資の利息が安くなる「認定支援機関」って何?融資の利率を下げる方法をお教えします!
まず、認定支援機関って何?
「認定支援機関」の正しい名称は、経営革新等支援機関というとても長い名称です。
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/nintei/
この機関は、経済産業省が認定しており、経営計画の作成や企業の経営指導、資金繰りサポートなどができる機関ということで全体の90%ほどが税理士事務所や公認会計士事務所となっています。
経営指導を受けて会社資金繰りが良くなれば、会社の倒産が減ることになります。
また、銀行も貸したお金の貸し倒れを防ぐことができるということで、国も認定支援機関が行う業務について補助金を支給して、会社や個人事業主が認定支援機関の支援を受けやすいようにしています。
今回ご紹介する融資制度も認定支援機関の指導を受けている会社や個人事業主については、事業が安定するだろうということで、低利率で融資を受けることができ、優遇しています。
この融資制度を経営力強化資金といいます。
低利率で借入できる中小企業経営力強化資金とは?経営力強化資金のメリットとデメリット
中小企業経営力強化資金とは、日本政策金融公庫が行っている融資制度です。
中小企業だけではなく、個人事業主も借入することができ、創業時から利用することができます。
この中小企業経営力強化資金のメリットとしては、通常の利率と比較すると0.2~0.5%ほど低利率で借入することができます。
また、公庫の融資は、新創業融資は1,000万円を超えると本店の決済が必要になるため、融資がおりにくくなりますが、経営力強化資金であれば、2,000万円を超えなければ本店決済にならないため、希望する融資がある程度大きくても支店決済で融資の申し込みとなりますので、1,000万円超の融資を受けることができる可能性があります。
対して、経営力強化資金のデメリットとしては、まず、融資の申し込みの書類が通常の融資より多くなります。
日本政策金融公庫のホームページから書式をダウンロードできますが、通常の事業計画は向こう1年分を作成しますが、経営力強化資金では向こう5年分の計画を立てます。
https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html
また、経営を行ってく上で、どのように販促活動を行うかや、改善目標などの具体的な行動計画を立てます。
そして、申込み時だけではなく、融資が実行されてから2年間、銀行への事業報告という損益の状況報告を行う必要があります。
提出期限は、法人であれば事業年度終了後3か月まで、個人事業主であれば4月末までに公庫へ事業計画進捗報告書を提出することになります。
デメリットは考え方によってはメリットになりますので、前向きに捉えると、事業の進捗状況や反省点を立ち止まって考えることができますし、それを第三者である銀行に見てもらえるというのは、良い機会だと考えるべきです。
借入をした会社や個人事業主だけではなく、認定支援機関である税理士事務所も一緒に経営目標を目指すことができることもメリットとしてあると思います。
まとめ
低利率で借入できる中小企業経営力強化資金についてご説明しました。
今後、日本政策金融公庫の創業融資は利率が高くなるとされていますので、中小企業経営力強化資金で低利率で借入できるのは、より一層効果的になると思います。
興味がある方は一度、認定支援機関の方にお問い合わせください。