創業時に融資を受けずに、自己資金のみで事業を始める方が8割ほどいます。
残りの2割の方は創業時に融資を受けて事業を開始するのですが、この差はどのようなところにあるのでしょうか。
創業時に計画的に準備しておけば融資を受けることは可能です。
以前のブログでは創業融資を受けるべき5つの理由をご説明しました。
今回は、創業融資を受けなかった場合のリスクをこのブログで考えていただけばと思います。
目次
創業時に融資を受けることを考えていない方はぜひ読んでください~創業融資を受けない場合の末路~
売上があまり上がらず、経費は想定よりも多くかかる
事業を開始して最も大事なことは、『売上を上げること』です。
そして、最も大変なことも『売上を上げること』です。
前職での経験やインターネットなどで調べることで、事業を始めてどれくらいの売上が上がるかがわかる事業もありますが、ほとんどの事業が経営者や立地などにより実際売上がどれくらい上がるかはわかりません。
始めてみなければわからないというのが正直なところです。
事前に調べただいたいこれくらい売上があがるだろうというものも、業績が良いものが目に入りがちですので、自分で経営を行ってみてその通りの売上を上げるのは難しい部分があります。
また経費については、想定していたよりも多くかかることの方が多いというのが、数多くの起業家を見てきて感じることです。
これには次の理由があります。
まず、事前に想定した経費は想定通りの経費金額がかかります。
次に、計画時点で経費の想定漏れがあった場合、想定していなかったものが少しでもあればその時点で経費が増えることになります。
こうして、売上は計画より低くなりがち、経費は想定より多くかかることになります。
自己資金は生活費ですぐになくなってしまう
自己資金があるため、融資を受けないで事業を開始したとしても、上記のように売上が上がらないと、資金が貯まりません。
資金は貯まりませんが、生活はしなければなりませんので、最低限の生活費が必要になります。
1人暮らしであれば月10万円ほどでも生活できますが、結婚している場合や、お子さんがいる場合は月20万円~30万円ほどは生活費として毎月必要になります。
売上が安定的にあがり、軌道に乗るまでに1年間かかったとしたら、その間の生活費として1年間で250万円~400万円ほどは必要になります。
自己資金で貯めていた資金はこの生活費ですぐになくなってしまいます。
また、起業する前のサラリーマン時代の収入で住民税などは課税されますので、税金の負担はそのままになり、資金的に厳しくなってしまいます。
起業して1年目に住民税が払えずに滞納している方もいますが、税金の滞納はその後の融資などに影響してきますので、期限に間に合うようにしっかり払っておきたいところです。
値下げに走る、受けたくない仕事を受けることになる
売上が思うように上がらない場合、まず手っ取り早く行いがちな対策としては、値下げすることです。
『値下げを戦略的に行う』場合は良いのですが、単純に売れないからという理由で値下げすると、利益が想定より減ってしまいます。
利益が減る→資金が貯まらない→次の投資に資金が使えない
という悪循環になってしまい、次の行動に移れなくなってしまいます。
『値下げを戦略的に行う』とは、マーケティング戦略で『フロントエンド』と呼ばれる無料や低価格で商品をまず買ってもらい、取引関係を築いた後で『バックエンド』と呼ばれる有料や高価格な商品を販売する手法です。
このような戦略的な値下げであれば、次の商品販売に繋げることができるのですが、そうでない場合はとても苦しくなります。
その結果資金がなくなりますので、食べていくために受けたくない仕事も受ける必要があります。
受けたくない仕事も経験として受けてみることも実際やってみると自分に向いている可能性もあるのですが、受けたくない仕事をやり続けることはとても辛く、何のために起業したのかわからなくなります。
起業した理由は様々ですが、自分のやりたいことを自分の責任でやるために起業したいという方が多いと思います。
リスクを回避できる最も確実な方法が『創業融資』を受けること
以上のような状況に陥る可能性が誰にでもあります。
起業することに自信があることは良いことですが、経営者はあらゆる場合を想定して準備をしておかなければなりません。
リスクを回避することができる最も効果的な方法が、ずばり『創業融資』です。
創業融資で多めに資金を確保しておくと、売上の減少や経費の増加にも耐えることができ、事業を継続するための次の手を打つことができます。
自己資金のみで事業を開始していた場合は、資金が無くなった時点で事業を継続できないということになってしまいます。
資金が無くなってから融資を受けようと思ってもその時点で手遅れになっているという場合が多いのです。
それは、事業を開始してから半年以上経過していると事業の実績を提出しなければならなくなることが多いのですが、資金が足りないということは、事業の実績が悪い可能性が高いため、銀行は融資をしてくれない可能性が高まります。
創業時は売上などがまだどれくらい上がるかわからない中で、銀行は経営者の人柄や事業計画の将来性を見て融資を審査してくれます。
創業融資で資金をしっかり確保しておきましょう。
創業融資を受けることの決心がついたら、事前の準備が大切です。
創業融資の準備編のブログをご参考ください。
まとめ
創業融資を受けなかった場合の末路ということでご説明しました。
最初の創業時から専門家の意見を聞いておけばもう少し長く事業を継続できたはずという起業家の方はたくさんいます。
起業時点で知っておくだけで変わるはずのその後の起業家人生を少しでも救いたいと私は思います。
創業融資は必ず受けましょう。
そして、創業融資のサポートができる専門家に相談しましょう。