銀行からの融資は中小企業や個人事業主にとって生命線です。
融資が下りない=倒産・廃業に直結する可能性があります。
そのため銀行融資を考える上では節税よりも利益を出してしっかり納税することがとても大事になります。
その理由をご説明します。
目次
銀行融資を考える場合は、節税よりも利益を出して納税することを考えるべき理由
銀行は返せる金額を貸してくれる
銀行は大前提として、融資した金額をしっかり返済してもらわなければなりません。
返済するための資金は利益から生まれます。
500万円の利益がでていたとしたら、法人税や所得税、住民税、消費税を考えるとざっくり50%の250万円ほどが納税となります。
残りの250万円から返済をしていくことになりますが、返済期間によって違いはありますが、7年返済と考えると
年250万円×7年=1,750万円ほどであれば7年間で返済できるため、1,750万円が融資可能額といえます。
これは単純に計算した金額になりますので、今までの損益状況や財産状況、創業年数や実績の積上げ、今までの税金などの滞納などがないかにより変わってきます。
そのため、利益を増やすほど、銀行に返済できる金額が増えるため、融資を受けることができる金額が増えていきます。
1,000万円の利益であれば、税金が500万円で、残りの500万円を7年返済とすると、
年500万円×7年=3500万円が融資可能額となります。
500万円の利益で1,750万円融資できる
1,000万円の利益で3,500万円融資できる
というように、しっかり利益を出して、税金の納税をしているほど、銀行から借りる融資が大きくなりますので、大きい投資も行うことができます。
納税は成績証明書という考え方
稼いだお金がとられるような気がして、できる限り節税したいという方は多いですが、長期的に考えると、納税の考え方を変えるべきです。
『納税=成績証明書』という考え方です。
しっかり業績を上げて、利益が出たから納税できる。
納税できない業績の方は、失礼な言い方をすると『落第』ということになります。
国民の3大義務である納税をしっかり果たすことができるのは、利益を出している方だけです。
節税策を駆使して納税額を減らすことを誇るより、多額に納税していることを誇るべきです。
個人情報保護の観点から、高額納税者番付は発表されなくなりましたが、個人的には高額納税者は社会で感謝され尊敬されるべきですので、発表し続けてほしいくらいです。
個人事業主は生活費があるため、多めに利益を出す必要がある
利益の計算は、売上ー経費=利益
という算式で求めることができます。
法人の場合は経費の中に代表者の役員報酬が入っており、この役員報酬で生活することになります。
一方、個人事業主は利益から生活費を捻出しますので、返済に使える金額は
利益ー所得税・住民税等ー生活費=返済資金
となります。
つまり、生活費分多めに利益を出さなければ、返済資金を捻出することができないのです。
銀行は事業のために使ってもらうために融資しますので、生活費が苦しいようでは融資しにくくなるのです。
まとめ
銀行融資を考えている場合は、売上がしっかり上がっていることも大事ですが、同時に利益がしっかり残っていて、納税していることが重要になります。
経費については、
・自宅兼事務所の家賃、水道光熱費
・飲食代
・自動車関連費
の中にプライベート用があるにも関わらず、全額経費にしている方もいます。
このような多めに経費を計上して利益を下げると、目先の税金は減りますが、銀行融資が難しくなります。
また、税務調査ではプライベート用の経費は否認されますので、追加のペナルティの納税が発生しますので、確定申告はくれぐれも注意しましょう。