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40歳の税理士の方からの独立前のご質問~新型コロナウィルス蔓延中の今、独立することの是非~

40歳の税理士の方からの独立前のご質問~新型コロナウィルス蔓延中の今、独立することの是非~ | 福岡市博多区 平岡大輔税理士事務所の起業支援ブログ<質問>
私は、40歳の税理士です。
ブログを拝見して開業前のご相談をさせていただきたくメールさせていただきました。
私は、今年開業予定で準備をしてきました。
開業時期についてのご相談です。

ご存知の通りコロナ騒動のおかげで世の中がかなり混乱している状況になっております。
このような状況下で開業するというのはどう考えられますでしょうか?
(現在は緊急事態宣言が出ているので開業もできませんが・・・)
一般的には開業には向かない時期なのかも知れませんが、逆に今回の騒動で既存の税理士に十分なサポートを受けられなかったお客さんなどは税理士変更を検討するのではないかとも考えております。

私の開業プランは、一般企業の財務部門で資金管理の業務経験がそこそこ長いので資金調達サポートをメインでやっていこうと考えております。
既に開業されている先生のご意見をいただければ幸いです。

<回答>

ご質問ありがとうございます。
ご開業後のメインとして挙げられている、資金調達サポートを売りにするという所はとても需要があるので良いと思います。
実際独立してみると、自分ひとりの力では資金調達ができない方がたくさんいることに気付きます。
その方の資金調達→事業継続の流れをサポートできるということはとてもやりがいを感じるはずです。
中小企業や個人事業主はご存知の通り、資金調達が最も大事であり、資金さえあれば何とかして事業を継続できますし、逆に資金が底を尽きれば即廃業につながります。
勤務時代とは異なり、独立開業すると、資金に関する相談を顧問先の経営者から直接受けることになるため、税理士の判断が事業の命運を左右します。
資金調達の相談ができる税理士は、顧問先にとって最も頼りになる存在になると思います。

本題である独立開業の時期について私の考えを書きます。
独立開業は一般的にできるかぎり早い方が良いと思いますので、今年中に独立したいお気持ちは良くわかります。
2020年4月現在は、新型コロナウィルスの蔓延により、全業種において先行き不明な状態が続いております。
この新型コロナ蔓延の状況下でも、税務申告や会計・融資についての需要は必ずありますので、質問者様がこの時期に独立することが無謀だとは思いません。
また、お考えの通り、今回のコロナショックで不満を感じた顧問先の解約や税理士変更は有りえると思います。
税理士変更の需要に備えて今の内から独立開業しておくこともひとつの手だと思います。
私が考える、この時期の独立で心配な点としては2つ挙げておきます。

①新型コロナウィルスにより人と会えず、対面の営業活動ができないということが、質問者様の営業活動に支障をきたす可能性があるため、うまく顧問先との契約につながらず、ストレスをかかえる可能性があるということです。
どれくらいの期間がかかるかわかりませんが、後々コロナウィルスは確実に収束しますので長期的に考えると独立しても良いのですが、短期的にみると独立してからの出だしの営業が上手くいかないとなると、顧問先が増えない辛い時期が長くなってしまいます。
私自身は独立開業して3ヶ月目には月3件ほどお問い合わせを頂き成約できていましたので、顧問先が増えないという苦しい時期は早めに終わりましたが、中には1年ほどほとんど顧問先と契約できなかった税理士の方もいらっしゃいますので、今すぐの開業が難しいと感じる部分はこの営業活動の制約があることになります。
この営業活動の制約については、今はzoomなどのWEB会議システムなどを利用して、相手の顔を見ながら商談することも可能ですが、やはり対面での方が成約率が良いことに変わりないと思います。
私自身もHPやブログなどを利用したネット集客をメインとして集客を行っていますが、実際のご成約時は必ずお会いして行っております。
対面でのご成約にすることで、行き違いなども無くし、お相手の雰囲気も実際に会って感じたいという想いからです。
この点は質問者様がどこまで納得し、妥協して営業できるかに関わってきます。

②独立開業にあたってご自身の創業融資を受けようとされている場合、現状は新型コロナウィルス関連の融資で銀行が忙しく、融資がすぐに下りない可能性があることです。
もちろん、質問者様に十分な自己資金があり、数ヶ月から1年ほどは食べていける貯蓄があれば、この②については考える必要はありません。
しかし、自己資金があるとしても、自分で融資を受けておくことで銀行担当者とつながりができますので、顧問先の資金調達支援につなげることができます。
個人的な考えになりますが、中小企業の資金調達においても、中堅企業小規模零細企業とでは資金調達の中身は変わってくると思います。
ある程度の規模や実績がある企業(中堅企業)は、実績や資金、バックについている親会社の信用などにより銀行から融資をしていただけますが、その規模の企業顧問を獲得することはなかなか難しいかと思います。
それは、そのような中堅企業が独立したばかりの税理士に顧問を依頼することはなかなかないからです。(独立前からの付き合いがある場合は別ですが・・・)
そのため、小規模な事業主や企業に関する融資をつなぐコツを覚えることが必要になると思います。
これはご自身で融資を受けることで顧問先へ融資をつなぐことができるようになるはずです。

新型コロナウィルスに関しての税理士事務所経営の影響としては、短期的に顧問先の解約などにはあまり直接繋がりにくいですが、長期的にみると経済が不景気となれば影響が出てくる可能性もありますが、そこもまだ先行き不明です。
ですが、税理士事務所は事業主の義務とされている税務申告が基本業務のため、景気不景気に関わらず仕事が激減することは考えにくいと思います。
いずれの時期の独立にしても、独立の最初は軌道に乗せることが難しく、苦しいことに変わりありません。
なるべく早く独立開業したい想いでこのご質問を頂いていると思いますので、あとは①、②についてご納得しているのであれば独立開業をされるべきだと思います。

独立開業の成功を祈念しております。

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