万が一があったときのために生命保険はとても重要で、将来のリスクに備えることができます。
皆さん何かしらの保険に入っていますが、次のような方がとても多い印象です。
①保険金額をシミュレーションして入っていない
②以前加入した保険の見直しを行っていない
③会社の役員や個人事業主なのにサラリーマンと同じ考え方で保険に入っている
そのため、当事務所ではお客様の保険の見直しとご加入のご提案を行っております。
その理由はお客様とそのご家族を守るためです。
万が一の時にお客様のご家族が生活できなくなった場合、そのリスクに気づいていた税理士が何もご提案していないとしたら、何のためにお客様と顧問契約を結んでいるかわかりません。
おすすめの保険の加入の方法や考え方がありますので、ご紹介します。
目次
税理士がおすすめする保険の入り方
リスクごとに備えて漏れなく保険に入る
保険というと死亡に備える死亡保障が最も重要で、優先順位も高いものですが、昨今の医療の発達により、死亡リスクよりも生存リスクの方がより高まっています。
生存リスクとは、死亡せずに
①三大疾病(がん、心筋梗塞、脳梗塞)にかかる場合
②身体障害状態になる場合
③要介護状態になる場合
④入院が長期化する場合
などがあります。
これらすべてのリスクに備えなければ、一部が抜け落ちていると、保険金が下りずに生活の補てんができない可能性があります。
いずれの場合も、治療して以前のように働くことができれば良いですが、後遺症などにより必ずしもそうではありません。
生存保険に入っている方についても良くあるパターンとして、死亡保障よりも低額の保険金で加入していることがあります。しかしながら、生きていながら働けない場合は、その後の生活費も考えると死亡した場合よりも大きな保険金が必要ということになります。
そのため保険に加入するのであれば、死亡保障のみではなく、すべてのリスクを考えて保険に入りましょう。
保険金額のシミュレーションをしよう
保険に入っている方も、必要な保険金のシミュレーションをしっかり行って加入した方はとても少ないと思います。
ざっくり1,000万円くらいあれば良いかなとかいうような入り方をしている方がとても多い印象です。
保険は年齢や家族状況により必要な保険の金額は変化します。
ご家族がいる方は独身の方に比べて、必要な保険金額が高くなります。
お子さんがいる方は独身や夫婦の方に比べて、必要な保険金額が高くなります。
これらは残されたご家族の必要な生活費が多くなるので、高くなります。
次の例の家族形態でシミュレーションをしてみます。
例:配偶者30歳、子供2人(2歳、0歳)
配偶者は80歳まで月額15万円が生活費とし、子供2人は月額5万円が生活費として22歳の大学卒業までの保障を考える場合
配偶者:(80歳ー30歳)×15万円×12か月=9,000万円…①
子供1人目:(22歳ー2歳)×5万円×12か月=1,200万円…②
子供2人目:(22歳ー0歳)×5万円×12か月=1,320万円…③
合計①+②+③=11,520万円…④
つまり約1億2,000万円ほどとなります。
しかし死亡の場合は遺族年金があり、夫婦子2人の場合は年間100万円以上の遺族年金が支給されますので、100万円×50年(80歳ー30歳)=5,000万円は支給されることになりますので、上記④から控除すると、
6,000万円~7,000万円ほどが必要な保障額となります。
この保険金額の保険に加入している方はとても少なく、そのために残されたご家族の生活がとても厳しいものになります。
厚生労働省の調査によると、遺族年金を受給している遺族の約6割超が、遺族年金を含む世帯収入が年間300万円未満という厳しい所得となっています。
このデータからみると働くことがとても難しいということがわかります。
どこまで保険で加入すべきかということをしっかり考え、シミュレーションしましょう。
個人事業主とサラリーマンで入るべき保険の違い
個人事業主もサラリーマンも入るべき保険の種類に変わりはありません。
サラリーマンとは、会社の役員として給与をもらっていて、厚生年金に加入している方も含みます。
死亡保障と生存保障の両方の保険に加入する必要があります。
しかし、必要な保障額に違いがあります。
サラリーマンの方は社会保険がとても手厚いことが特徴で、遺族年金についてもサラリーマンが加入する厚生年金は受給できる金額が大きいものになっています。
一方、個人事業主の方は、国民年金のため、社会保険が手薄になっています。
さきほどの遺族年金についても、配偶者のみである場合、個人事業主の方の配偶者の方は遺族年金を受給することができません。
また、事業用の借入をしている場合、その借入分、必要な保障額が高くなります。
事業用の必要な保障額は次の計算で求めることができます。
借入金額ー(現預金+売掛金+棚卸資産ー買掛金)=事業用の必要な保障額
『現預金+売掛金+棚卸資産ー買掛金』という計算式は、営業して回収できる資金から支払うべき買掛金を差し引いた金額はすでに実質は借りていない金額になりますので、借入金から引いて残りの金額が事業で必要な保障額となります。
このような理由から、個人事業主の方はサラリーマンに比べて、より高い保険に入るべきということになります。
個人事業主の方で、サラリーマンから独立された方は、必ず保険の見直しを行いましょう。
まとめ
税理士の目線から考えた保険の入り方をご紹介しました。
保険は足りないのもいけませんが、入りすぎも家計や事業を圧迫します。
5年ごとに見直しを行い、適切な金額の保険に加入しましょう。