創業融資を申し込むときにお問い合わせで多い内容は、『自己資金がないんですが大丈夫ですか?』という内容です。
自己資金とは、起業するために貯蓄した資金のことです。
銀行は自己資金があることで、起業家の計画性や誠実さ、事業に対する覚悟を判断しています。
しかし、自己資金がない=創業融資が受けられないというわけでは決してありません。
当事務所でご支援した方の例を参考にご紹介します。
目次
創業融資で大事なことは自己資金ばかりではない‼創業融資の判断を有利に進めるチェックポイントをご紹介
創業融資の必要性などは以前の記事でご紹介しています。
創業時には創業融資を受けておくべき5つの理由
創業融資で大事なことは自己資金ばかりではない‼創業融資の判断を有利に進めるチェックポイントをご紹介 | 福岡市博多区 平岡大輔税理士事務所の起業支援ブログ創業時の資金は自分で貯めた自己資金でまかなうこ ...
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創業融資の審査で聞かれやすい内容もこちらの記事を参考にしてください。
創業融資で聞かれやすい質問5選~この質問に答えられるようにしよう~
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創業融資で判断されるチェックポイントとして、自己資金をしっかり貯めていること以外の主なものは次の通りです。
①起業する事業での就業経験
起業する事業が全く経験がない事業であれば、当然事業が上手くいく確率も低くなります。
起業する事業の経験があると、どのような業務フローなのか、集客や販売をどのようにすれば良いのかを知っていることが多く、事業が軌道に乗る確率が高くなります。
銀行は長い経験があるほど評価してくれます。
また、店長や部長、課長など管理職をしているほど評価をしてくれます。
ただし、管理職の経験が無くても、何も経験が無いよりは断然良く評価してくれます。
今、経験が無い方はアルバイトでも良いので起業する予定の事業は必ず経験しておきましょう。
②税金の滞納や未払いがないか
銀行から融資を借りることができたとしても、それはゴールではなく、あくまでスタートラインに立てただけです。
したがって、融資はきちんと返済することが大切です。
きちんと返済していることが銀行の実績になり、次の融資も受けやすくなります。
銀行への返済がきちんとしている方というのは、税金の滞納などが無い方が多いです。
払うべきものはしっかり払う姿勢というのが大事なのです。
融資を借りる場合は、税金の未納や滞納は無いように準備しましょう。
③返済が必要な別の借入がないか
融資は事業のためにするもので、生活費や他への返済のためではありません。
消費者金融などから複数ある場合は、そちらの返済に充てられては困りますので、複数の返済がある方は融資の評価があまり良くありません。
融資を受けようとする場合は、消費者金融などからの借入は極力しないようにしましょう。
創業融資は総合判断!あきらめてはいけない事例
創業融資での重視されるチェックポイントをお伝えしましたが、上記のポイントが一つでもダメであれば、融資が受けられないわけでは、決してありません。
融資の判断は総合判断になります。
これら以外にも人柄や、事業の将来性などでプラス評価になることもあります。
チェックポイントを満たしていないけど、融資が通った事例をご紹介します。
事例1 自己資金なし、税金の滞納あり、消費者金融2か所から借入ありで、1,300万円の満額融資
経営者の方は自己資金もありませんでしたし、税金の滞納以前に確定申告していませんでした。
また、消費者金融への返済もある方でしたので、マイナス評価を受ける条件がたくさんありました。
しかし、売上が立つ取引先が複数あり、確実に4,000万円ほどの年商があるだろうと予想できたため、借入することができました。
事例2 自己資金なし、管理職経験なしで、700万円の満額融資
こちらの事例も自己資金はありませんでした。脱サラしての起業でしたが、起業する事業での経験が10年以上あり、真面目な性格の経営者を評価してもらいました。
取引先への営業活動も頑張っておられたので、取引確定前でも営業先リストなど銀行に提出して、前向きな営業姿勢であることも見せました。
事例3 自己資金なし、別の銀行からの借入あり、消費者金融からの借入ありで、600万円の満額融資
自己資金はなく、のれん分けでの起業となりましたので、5年ほど事業の経験がある方でした。
消費者金融からの借入もありましたし、別の銀行から自動車ローンとして借りた資金を別の目的に使用していたため、条件としては難しい条件でしたが、満額の融資となりました。
以上が融資の事例です。
このように大前提として、自己資金が無くても借りられる可能性は十分にあります。
また、マイナス評価を受ける内容があってもまだ融資の可能性はあります。
まとめ
創業融資のチェックポイントと難しい条件でも融資が受けられることをご説明しました。
ただし、大前提として融資の申込みを個人で申し込むとこの限りではありません。
融資の申込み時点から税理士事務所などの専門家が付いていて、融資のサポートや、その後の資金繰りのサポートをお願いしているということが融資を有利に進めることができます。
融資は失敗してしまうと、次の申込みがすぐにはできませんので、きちんと準備して専門家に依頼した方が確実です。