毎年年末になると年末調整になります。
給与をもらっている役員・従業員・アルバイト・パートの方に記入していただく資料があり事前のご準備も必要になりますので、内容を解説します。
令和2年分については大幅に改正になった部分がありますのでご注意ください。
改正部分については3基礎控除申告書兼配偶者控除申告書兼所得金額調整控除申告書をご覧ください。
目次
1扶養控除申告書
基本的には給与をもらっている方全員から書いていただきます。
①氏名、生年月日
②住所
③扶養に入れる家族の名前
④マイナンバー(個人番号)を書いていただきます
この書類が無い方は給与を払うときに天引き(源泉徴収)する源泉所得税の金額が増えます。
なぜかというと、この扶養控除申告書を提出している勤務先からもらう給与は月額表『甲欄』という生活に必要な給与なので、天引きする所得税を減らすことができます。
扶養控除申告書を提出していない勤務先からもらう給与は月額表『乙欄』の給与でありよく『乙欄給与』と呼びますが天引きする所得税が増えます。
結果的に確定申告すると年間の税金はどちらにしても同じになるのですが、基本的には生活費として使っている給与の勤務先にはこの扶養控除申告書を提出してください。
詳しくは専門家にご相談ください。
下記に国税庁のリンク先を記載しておきますので、用紙が足りない場合はコピーしてお使いください。
2保険料控除申告書
保険料控除の適用を受ける方のみ書いていただきます。
(保険料控除を受けない方はこの書類自体不要ですので渡さなくて結構です)
保険料控除とは、民間の生命保険会社や共済保険などに加入しているとその支払った保険料分の税金が安くなるものです。
毎年10月ころになると保険会社から『保険料控除証明書』という、いくら保険料を払っていくら控除できるかと記した証明書が送られてきます。
この『保険料控除証明書』が必ず必要になりますので、従業員さんから書いてもらって預かってください。
下記に国税庁のリンク先を記載しておきますので、用紙が足りない場合はコピーしてお使いください。
3基礎控除申告書兼配偶者控除申告書兼所得金額調整控除申告書
この書類が今年(令和2年分)から加わったものです。
とても名称が長いですし、書き方も簡単ではないのでご注意ください。
この書類も基本的には給与を支払っている方全員に記入していただくものになります。
書き方を解説します。
この書類は大きく3つに分かれています。
①基礎控除申告書(黄色)
この①部分は全員記入が必要になります。
この部分は基礎控除(38万円、2020年から48万円に改正)という誰しも税金がかからない部分に控除があるのですが、その適用を受けるための申告書になります。
(1)部分に1年間の給与収入(2020年1月から12月に支給された給与で、まだ支給されていない金額は予想で書きます)を書き、裏面4(1)の表を見ながら所得金額を書きます。
副業などしていて給与以外の所得がある場合は(2)も書きます。
区分Ⅰの欄は当てはまる所得金額のアルファベットを書きますが、所得金額が900万円以下の場合は『A』になり、基礎控除の額は48万円となります。
給与所得の金額は下記の図に当てはめて計算してください。
②配偶者控除申告書(赤色)
この②部分は配偶者がいる場合で配偶者控除を適用する場合は記入が必要です。
こちらは配偶者の1年間の給与収入(2020年1月から12月に支給された給与で、まだ支給されていない金額は予想で書きます)を書き、裏面4(1)の表を見ながら所得金額を書きます。
例として年収103万円以下のパートの方で70歳未満の方の場合は区分Ⅱは『②』になります。
そして、区分Ⅰと区分Ⅱの交わる部分の表の金額が配偶者控除の金額となります。
例としては区分Ⅰが『A』、区分Ⅱが『②』の場合は38万円になりますので、配偶者控除の額に『38万円』と記載します。
③所得金額調整控除申告書(緑色)
この部分は給与収入が850万円超の方のみ記入が必要になりますので、基本的には記入不要です。
給与収入が850万円超の方はあてはまる部分にチェックを入れ、扶養親族の名前等必要な情報を書いてもらいましょう。
下記に国税庁のリンク先を記載しておきますので、用紙が足りない場合はコピーしてお使いください。
国税庁HP基礎控除申告書、配偶者控除申告書、所得金額調整控除申告書
まとめ
今回の3つ目の改正は手間もかかり、従業員さんに書いてもらうには難しいかもしれません。
もし難しい場合は無理せずに、経理の方で記入する方法でも良いかもしれません。
11月中に全従業員さんに書いていただき早めに準備しましょう。