会社を設立すると事業年度は1年間となります。
事業年度をいつからいつまでにするのか、つまり決算月をいつにするのかを考える必要があります。
決算月は3月や12月が多い傾向にありますが、いつにするか自由に決めることができます。
経営がうまくいく決算月の決め方として「売上が上がらない月」を決算月にするべきです。
その理由をご紹介していきます。
目次
決算月は売上が上がらない月が良い理由
節税対策ができる
なぜ、売上が上がらない月を決算月にしたほうがいいのか。
普通に考えると、売上が上がり、利益が増えたところで事業年度を終えるのが一番良いのではないかと思いがちですが、
売上が上がらない月を決算月にした方が良い理由はずばり、節税対策ができるからです。
売上があがらなく、利益が最終月にでないということは、すでに行っている節税策で支払う税額のシミュレーションができていることになります。
これが事業年度の最後に利益がでるとシミュレーションとずれてしまい、今期はいくら税金を支払う必要があるのか分からなくなってしまうのです。
納税準備にために決算月を考えましょう。
納税資金の準備ができる
もし納税資金の準備をするために銀行に融資の依頼をする必要があるとします。
この場合、いきなり利益が増えて納税額も増えるとなると、いくら銀行から借りれば良いのかわからなくなります。
税金の滞納は絶対にしてはいけません。その後の銀行からの融資の際に評価が下がってしまい、融資を受けることができなくなる可能性があるからです。
事業で資金を上手く確保して、納税資金を残しておくのが一番良いですが、事業は何があるかわかりません。
資金のあてにしていた取引先が急に倒産し、資金が回収できないかもしれません。
設備が突然壊れ、予定していない再投資をする必要があるかもしれません。
できる財務上の対策として決算月を考えて設定しましょう。
決算準備が十分にできる
売上が上がならい月ということは、つまり忙しい月ではないということになります。
そうなれば、決算を締めるときにしなければならない事ができる時間を十分に確保できます。
決算時にすべきこととして、
①未到着の請求書などがあり、仕入れや経費の計上漏れがないか確認し、あれば取引先に確認する
②法人から個人への貸付金などが残ってないか確認し、残っていれば精算する
③未回収の売掛金などがないか確認し、あれば取引先に催促する、または債権放棄する
④決算書類を作成するための書類を集める
など、どれもそれなりに時間がかかる手続きです。
余裕をもって決算をするための時間を確保するために決算月を考える必要があります。
まとめ
決算月を「売上が上がらない月」が良い理由について3つの角度からご紹介しました。
事業年度は後から変えることはできますが、それも手間がかかりますので、事前に検討して決めておきましょう。