『協調融資』とは複数の銀行から同時に融資を受けて、資金調達をすることです。
以前、協調融資のメリットについてご紹介しました。
協調融資については、メリットがとてもありますが、同時にデメリットも少しありますので、ご紹介します。
協調融資をお考えの方はご参考ください。
目次
協調融資のデメリットについて解説します!
協調融資で申込みした銀行からの入金日がすべて同時期になる
メリットの記事で解説しているように、銀行同士でリスクを分散できていますので、融資が下りやすくなるのですが、その融資の入金はすべて同時期になります。
したがって、多いパターンは日本政策金融公庫と地方銀行の2行に協調融資で申し込むというものです。
日本政策金融公庫は融資が決定するのが比較的早く、約1か月ほどで融資審査が終わります。
一方、地方銀行などは保証協会付(※)であることが一般的ですので、地方銀行の面談と保証協会の面談で2回あったり、審査もそれぞれ行いますので、申込みから2か月近くかかることがあります。
※保証協会付とは、信用保証協会が銀行の代わりに融資に対する返済をリスクを負っているものです。
保証協会付の場合、融資を借りても返せなくなっても、銀行は保証協会から代わりに返済を受けますので、リスクが少なくなります。
協調融資の場合、日本政策金融公庫の融資の入金は、もう一方の地方銀行の融資と同時期になりますので、入金まで結局は、地方銀行の結論が出るであろう、申込みから約2か月ほど先となります。
なるべく早く融資が必要となる場合は、協調融資の場合注意が必要です。
いずれかの融資が決まらなければ、他の融資も取り消し(審査やり直し)になる
協調融資の場合、日本政策金融公庫の融資の結論が先にでることをお伝えしましたが、
公庫の融資は決定しても、地方銀行の融資について
・融資が通らなかった
・融資額が減額されて通った
という場合は、公庫の融資審査がやり直しとなります。
すべて一からやり直しではないのですが、公庫の融資審査は、地方銀行の融資が通るということを前提で決定されていますので、もう一度公庫の融資についても事業計画の練り直しとなります。
したがって、協調融資で融資が通りやすいからということで、多めの融資額を希望しすぎるとどちらの融資も受けられないとなりかねません。
先に公庫の審査が通っても安心しないようにしましょう。
まとめ
協調融資のデメリットを解説しました。
インターネットなどで調べると協調融資のメリットばかりが目立ちますが、このようなデメリットもありますので、協調融資での申込み時点で注意が必要です。
しかしながら、このデメリットを考慮してもなお、協調融資のメリットはとても魅力的です。
融資希望額も1行だけでの融資申込みよりも多めに申込みができますし、複数の銀行からの借入実績を作ることができます。
創業時は特に資金不足になりがちですし、あらゆる状況に備えて借入の実績を作ることが重要です。
協調融資を申込みされる方は専門家や金融機関の方にご相談しましょう。