建物や車、機械などの固定資産を取得したときは、買ったときに買った金額をすぐに経費にすることはできません。
資産ごとに決められた年数で経費にしていきます。これを「減価償却」といいます。
この減価償却方法も色々なものがあり、やり方次第で節税になることがあります。
目次
減価償却での節税方法
定率法を採用して節税
減価償却方法には通常2種類あります。
①定額法と②定率法です。
①定額法は買った金額を決められた年数で均等に経費にしていくものです。
たとえば100万円で5年間で減価償却する資産については、
1年目20万円
2年目20万円
↓
5年目20万円
5年間合計100万円
となります。
これと同じ資産で②定率法を採用していた場合は、
1年目40万円
2年目24万円
↓
5年目12万円
5年間合計100万円
となります。
①定額法と②定率法どちらも5年間で100万円が経費になることに変わりないのですが、1年目と2年目の経費の金額に差があります。
つまり定率法の方が資産を買ってすぐに多額の経費を計上することができます。
黒字の法人が資金に余裕があり、設備投資をすることが良くありますが、そのときは定率法を採用しているとより、節税になるということになります。
この減価償却方法ですが、税務署に届出を行わなければ、個人事業主は①定額法、法人は②定率法が自動的に採用されることになります。
そのため、個人事業主の方で②定率法を選択したい場合は下記国税庁のホームページを参考にしましょう。
新たに事業を開始した方はこちら
すでに行っている減価償却方法の変更をする方はこちら
中古資産で節税
減価償却の年数は、実は新品と中古で年数が変わってきます。
新品と中古では使用できる残りの期間が違っているのは当然のことなので、中古は買い替え時期が早く訪れることから、新品に比べ減価償却する年数が短いのです。
たとえば、新品であれば6年で償却する車を、4年落ちの中古で取得したとすると、
中古車の年数は、(6年-4年)+4年×20%=2.8年→2年で減価償却することになります。
600万円の車を6年で償却した場合(年間減価償却費100万円)と2年で償却した場合(年間減価償却費300万円)では、200万円の経費の増加による節税を行うことができるのです。
青色申告であれば30万円未満の資産は取得したときに経費にできる
この制度は青色申告制度のメリットの一つですが、青色申告を行っている納税者は個人事業主も法人も30万円未満の資産については取得したときに全額経費にすることができるのです。
青色申告ではない場合は、取得時に全額経費にできる資産の金額は10万円未満に限られるめ、30万円未満の資産をすぐに経費にできるちうことは大きな節税効果となります。
ただし、法人については、中小企業者等(資本金1億円以下の一定の法人)に限られていますので、ご注意ください。
まとめ
減価償却での節税方法も実は存在しており、戦略的に節税対策をとることができます。
しかし、最も大事なことは、節税のために資産を取得するのではなく、事業の発展に必要な資産を買うべきで、節税対策はその後に考えるべきものだということを忘れないようにしましょう。